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２歳上の姉がいる。
あの時の気持ちが今も忘れられないと彼女は言う。
高１の時、姉の彼氏に犯されたそうだ。

犯される恐怖と、姉に対する申し訳ない気持ち。
しかしその出来事は、彼女をいささか歪ませてしまったのかもしれない。
なぜならそこには、「姉に対する優越感」が同時に存在していたからだ。

「犯された」と言っても、実際のところレイプではなかった。
姉に隠れて口説かれて、半ば無理やりにやられてしまっただけなのだ。
良心の呵責によるものか、彼女はそれを「犯された」という表現にしてしまっている。

子供の頃から姉の方が綺麗で、同級生からは随分羨ましがられたし、彼女にとっても「自慢の姉」だったそうだが、実のところずっとコンプレックスを感じていたのだろう。
姉の事を好きな筈の姉の彼氏が、自分を求めてきた事に「姉のものを横取りしたい衝動」が生まれたとしても、それは何の不思議もない事である。
事実、姉に隠れて、情事は何度も繰り返されたそうであるし、今もイヤな事があると、その頃の事を思い出して自慰に耽る事もあるとの事なので、単に「犯された」という事ではないのは明白である。

この事がきっかけか、彼女はいわゆる一線を超えたおかしなシチュエーションに興奮してしまうようになり、いつの間にかＳＭに傾倒していたと言う。
（ただし本格的なＳＭの経験はない）

この冬、姉が結婚する。
挨拶の際、義兄になる男の視線を乳房に感じてしまい、「またあの時の様に」などと、よからぬ妄想に憑りつかれる。
こんな自分にお仕置きしてほしい。
それが彼女の要望だった。